地中海(ティレニア海)沿岸に位置するアマルフィ海岸。朝から晩まで昼寝時のような力の抜けた空気に包まれていました。独特のやわらかい風が吹き、おだやかな波間にはボートが浮かんでいます。浜辺には日光浴をする人、波打ち際で水遊びをする人。思い思いにそれぞれの時を過ごしていました。地中海の夏の太陽はどこか気だるく、何もかも意味のない遠い世界の出来事のように思わせます。
慌ただしい日常生活とは正反対ですね。
昨年夏に旅してきました。
この記事では情報だけをまとめて皆さんにお伝えしようかとも考えました。ですが、わたしがたどった行程をそのままに旅行記ブログとしてアマルフィ海岸を紹介します。今後、個人旅行をお考えの方の参考になれば幸いです☆
*アマルフィ海岸 Costiera Amalfitanaとは?
ソレントからサレルノまでの約40Kmの海岸線。世界遺産に登録されています。
アマルフィ海岸の観光行程
- ナポリ→サレルノ(1泊)
- サレルノ→アマルフィ(2泊)
- アマルフィ→ナポリ
ヴィエートリ・スル・マーレ(Vietri sul Mare)
午後6時、「ヴィエートリ・スル・マーレ」へ。
サレルノでバス停を探したものの、よく分からず、結局タクシーで行くことに。
タクシーを降りてすぐ、町の可愛らしさに一瞬で心を奪われました。
陶器の町「ヴィエートリ・スル・マーレ」。
アマルフィ海岸の東側に位置する小さな町、マヨルカ焼の主要な生産地です。
車一台がようやく通れるほどの通りには、陶器の店が連なっています。店の軒先には黄色やオレンジ、赤色や青色で色付けされた陶器が所狭しと並べられていました。太陽の光を浴びてゆったりと微笑んでいるようでした。
本当は一軒一軒見て回りたかったのですが、閉店の時間が気になりました。
日没まであと1時間ほど。そんな時間帯です。
もともと予定に組んでいた工房を兼ねたショップに絞り、陶器を見に行きました。
「チェラミカ・ソリメーネ Ceramica Solimene 」はヴィエートリ・スル・マーレを代表するマヨルカ焼の工房兼ショップ。1947年のオープンから現在まで長きにわたり、伝統的な工法でさまざまなデザインの陶器を生み出しています。
店内は1~4階まであり広さも十分。
まるで展覧会会場のようにたくさんの陶器が並べられていました。
ひとつひとつ値段が付いており、購入することもできます。
海の色や太陽の色を思わせる青や黄色の陶器。絶妙なコントラストを描きながら、イタリア人らしい美的センスで天井から床まで飾られていました。
わたしは店内をゆっくり見て回り、気に入ったマグカップや皿をいくつか購入。
そして、店を出ました。
外はすっかり夕暮れ時。
のんびりと気だるい雰囲気。
海辺の夕方ってなんかいいですよね。
もう少し時間があれば、そのままヴィエートリ・スル・マーレで夕方の時間を過ごしたかったです。買ったばかりのマヨルカ焼の陶器を下げて、ただブラブラと歩けたらどんなに素敵だろうなと。
ですが、夕食にはサレルノのレストランを予約していました。
予約時間に間に合うようサレルノまで戻らなくてはいけませんでした。
バス停を見つけ、バスに乗車。
ヴィエートリ・スル・マーレからサレルノへ戻りました。
★サレルノのホテル宿泊体験レビューはこちら
⇒(準備中)
サレルノからアマルフィ(Amalfi)へ
翌日、サレルノのホテルをチェックアウト。
アマルフィへ。
「アマルフィ」はアマルフィ海岸の中心に位置する町です。
アマルフィへのルートはいくつかありますが、
サレルノからタクシーで向かいました。
細く険しい海岸線をタクシーが走り抜けます。道路は狭く一車線です。向かいの車と交差をするのも難しいほど。カーブを曲がるときはクラクションを鳴らして合図していました(アマルフィ海岸にレンタカーで訪れる予定の方は注意してくださいね。運転に自信のない方はタクシーやバスを利用したほうが良いかも)。
わたしは後部座席のシートに体をあずけたまま、車窓から外をのぞいていました。
マイオーリやミノーリといったアマルフィ海岸の小さな町を通り過ぎると、開けた視界の先に水平線いっぱいに広がるティレニア海を見てとれました。アマルフィ海岸にやって来た♪という感覚を心密かに味わいながら、窓越しに海を眺めていました。
そして、タクシーは停車。
アマルフィに到着です。
アマルフィのホテルにチェックイン
早速ホテルにチェックインです。
アマルフィでは「ホテル レジデンス HOTEL RESIDENCE」に宿泊しました。
こちらのホテルはバス停のある広場やドゥオーモへ徒歩数分以内。個人旅行者には大変便利な立地です。また、部屋によってはティレニア海を一望できます。アマルフィ海岸ならではの滞在を存分に楽しませてくれます。
カーテンを開けると船着き場やビーチ、海が広がっていました。
解放感たっぷり。
どこか夢心地の景色でした♪
★宿泊体験レビューはこちらの記事をどうぞ
⇒絶景を堪能&便利♪アマルフィ海岸のおすすめホテル「HOTEL RESIDENCE」
アマルフィの展望台へ
ホテルにチェックイン後、アマルフィの町へ繰り出すことに――。
混み合うビーチやドゥオーモ周辺を離れ、ひとまず高台へ行ってみることにしました。写真を撮るのが好きな方は分かると思うのですが、とにかくまずは上へ上へのぼって見たくなりませんか?
その先に何かあるかもしれない、と期待を抱いて。
家々の玄関先までつづく小路を迷路をたどるように昇って行きました。
観光客で賑わうビーチとは対照的。
高台の小路は静けさと”うらぶれ感”を漂わせていました。
余談ですが、わたしはイタリアの”うらぶれ感”が好きです。
かつての栄華が亡霊のように漂っている雰囲気になぜだかゾクゾクっとします。
今日では観光地として有名な「アマルフィ」。10~11世紀頃には海運共和国として広く名を馳せていました。エジプトやトルコなど東方諸国との貿易で財を成し、地中海の覇者として君臨していた時代もありました。ところが、12世紀に発生した地震で大きな被害を受けます。さらに、ライバル都市ピサやジェノバの台頭。アマルフィは航路を失ってしまったのです。残念ながら町は衰退しました。
実際に歩いてみると、かつての栄華とその後の衰退が町のあちこちに見てとれます――。
さて、眼下を一望できそうなスポットに行き当たりました。立ち止まり、しばらく風に吹かれます。上がった息が少しずつ落ち着いてきます。それから、カメラを構え写真を何枚か撮りました。
アマルフィの町と海、山の斜面に建つ家々。
太陽が西に傾き、山の影にやわらく覆われていました。
この記事を書きながら、アマルフィの高台にのぼったときの感覚を思い出しました。
写真って撮影したときの感覚をを蘇らせるスイッチになりますね。
どんな風景を見たかとか、どんな気持ちだったかとか。
自分の撮った一枚の写真をきっかけにタイムトラベルを楽しめます。
アマルフィのレストラン
一旦ホテルに戻り、夕食用の服に着替えレストランへ。南イタリアならではの新鮮な野菜や魚介の料理をいただきました。
★レストランの詳細なレビューはこちらの記事をどうぞ。
⇒(準備中)
★旅行記ブログの続きはこちらの記事をご覧ください。
⇒南イタリアの至宝アマルフィ海岸「ポジターノ」観光