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【ドイツ旅行】マインツのザンクト・シュテファン教会|シャガールの青いステンドグラス

この日は、クリスマスの前日、クリスマス・イブでした。

観光できそうな場所のほとんどが閉まっているか、午前中のみの営業ということは、ガイドブックを見てあらかじめわかっていました。

前年も同じ時期にドイツを旅行していたので、12月24日の街のひっそりとした雰囲気は、なんとなく予想できました。

そこで、インターネットでフランクフルト空港から1時間以内で行ける場所をあちこち探してみることに。

すると、マインツにあるザンクト・シュテファン教会なら、12月24日の午後でも観光客が見学できそうだということがわかりました。

ガイドブックを見て、いつか行ってみたいと思っていた教会だったので、24日の午後も開いていることがわかったときは、嬉しくて小躍りしてしまいました。

フランクフルト空港からマインツへ

まずは、24日の午前中にケルンからフランクフルトへ移動。

フランクフルト空港のホテルに荷物を置いた後、マインツへ向かいました。

フランクフルト空港からマインツまでは電車で30分ほどです。

マインツ駅からザンクト・シュテファン教会へ路面電車に乗車

当初の予定では、マインツ駅からザンクト・シュテファン教会まで歩くつもりでした。

ところが、子どもが歩くのを嫌がり、少し距離もあったので、路面電車に乗ることに。

あまり下調べをせずに路面電車に乗ったため、GoogleマップのGPSを頼りに、教会に近い停留所で降りようという安易で、少し不安な乗車となりました。

予想していたよりも車内は混んでいて、また、なんとなく想像したいたよりも貧しそうな身なりの乗客が多かったように思います。だから、なんとなく警戒心をもって乗りました。

顔に深いしわが刻まれ、白髪の長い髪を束ねたおばあさんと、少し汚れた水色のジャケットを羽織った、5歳くらいの女の子が、私と息子が座った席の通路を挟んだ向かい側に座っていました。

東洋人が珍しいのか、私と息子が話す日本語が興味を引いたのか、そのおばあさんと女の子は、大きな黒い瞳で、瞬きもせずにこちらをじっと見ています。

視線に気づいた息子は、彼女たちを見た後、その強い視線に負けてしまったように、うつむき加減になりました。それでも気になるのか、ときどき彼女たちの方を見ては、すぐに目を伏せていました。

わたしはスマートフォンを取り出して、Googleマップで停留所を確認するために「ザンクト・シュテファン」という言葉、それから停留所の名前を何度か口に出していました。

そして、いよいよ降りる停留所が近づいたとき、目の前にいたおばあさんが、私に何かを伝えようと、身振り手振りで「ここで降りる」ことを教えてくれました。

私が「ザンクト・シュテファン?」と尋ねると、おばあさんは大きくうなずき、降りるように促してくれました。

私は何度か「ダンケシェーン」と言って、下車しました。拙いダンケシェーンで、感謝の気持ちが伝わったかどうかはわかりません。

路面電車を降りると外は、刺すような寒さでしたが、なんだか温かい気持ちになりました。

わたしはもう一度Googleマップで教会の場所を確かめ、そちらの方向へ歩き始めました。

歩きながら息子が、

「女の子がいたね。あの子はどこに行くのかなぁ」

と言い、白い息をわざと大きく吐き出していました。

路面電車で通ってきた道を少し戻ると、「ザンクト・シュテファン教会」が見えてきました。

ザンクト・シュテファン教会(Kirche Sankt Stephan)

大聖堂のような大きな教会ではありませんが、それでも住宅地の中にあっては、教会らしい重厚な雰囲気のある建物でした。

ただひとつ心配は、12月24日に本当に観光客が入れる雰囲気かどうか、、、ということでした。

おそるおそる扉を開けて入ると、教会の関係者の方が売店にいらっしゃいました。

また、中を見学している人もいて、見学だけの立ち入りも可能のようでした。

ほっとしました。良かった。

それから、中に入って驚いたのは、室内が本当に青いことです。

冬の光が青いステンドグラスを通して、教会の内部に青い影を落としていました。

水族館に来たのかと思うくらい室内全体が淡い青い色の空気に満たされており、その中で、呼吸をしているような気分になりました。

魚になったような気分?エラ呼吸??

これまで体験した教会の美術のなかでも、ひときわ不思議な感覚を味わいました。

ザンクト・シュテファン教会について

ところで、ザンクト・シュテファン教会(Kirche Sankt Stephan)について、地球の歩き方から引用します。

ヴィリゲス大司教が990年に建設した。現在の建物は第2次世界大戦の再建だが、この教会を有名にしているのはマルク・シャガールが1978~1985年に制作したステンドグラス。新約と旧約聖書を題材に、ブルーを基調としたステンドグラスを通した光が内部空間を満たしている。

マルク・シャガールのステンドグラス

マルク・シャガール(1887-1985)は東聖歌隊席と翼廊のために9枚のステンドグラスを制作したそうです。

最初に制作された中央3枚です。教会HPによると、中央の作品は1978年、左右の2枚は1979年に完成したものです。

  • 中央:1枚「"Vision vom Gott der Väter" 父祖の神の幻」
  • その左右:2枚「"Vision der Heilsgeschichte" 救済史の幻視」

さらに、聖歌隊席の側窓もシャガールの作品だそうです。「”Lob der Schöpfung” 創造への賛美」をテーマに制作され、1981年に公開されたのだとか。

出典:https://bistummainz.de/pfarrei/mainz-st-stephan/chagall-fenster/die-fenster-von-marc-chagall/

ちなみに、教会の売店ではシャガール作品のポストカードが販売されていました。

とてもきれいだったのでいくつか買いました☆

シャルル・マルクのステンドグラス

ランスのジャック・シモン・スタジオの主任職人であり、マルク・シャガールと28年間共同制作を行い、深い友情を育んだシャルル・マルク(1923-2006)は、聖ステファン教会の北側と南側の通路それぞれに3つの連結窓を制作しました。

出典:https://bistummainz.de/pfarrei/mainz-st-stephan/chagall-fenster/die-fenster-von-charles-marq/

シャガールの作品だけでなく、ほかの方が制作したステンドグラスも青色に彩色されていました。全体で調和がとれており、本当に美しい空間でした。

プレゼピオ

東内陣(主祭壇)とは逆側の壁際に、プレゼピオが飾り付けられていました。

青い空間に飾られたプレゼピオというのは初めてでした。なにかとても神秘的で見入ってしまいました。

回廊(Kreuzgang)も見学可能

入口と反対側の扉から外に出ると、回廊の見学もできました。

余談ですが、この回廊の奥にあるトイレもお借りできましたよ。

回廊では、ヴォールト天井(リブ・ヴォールト)の骨組みがよくわかります。赤茶色のレンガと白い漆喰がコントラストをなしていますね。

マインツ大聖堂(Mainzer Dom)へ

ザンクト・シュテファン教会を出て、マインツ大聖堂(Mainzer Dom)に立ち寄ることにしました。

歩いて10分くらいの距離でしょうか。それほど遠くはありませんでした。

マインツの中心部に建つ、マインツ大聖堂。

正式名称は「ザンクト・マルティン大聖堂(Hohe Dom St. Martin)」で、聖マルティンに捧げられた教会です。

現在の大聖堂の基礎を築いたのは、マインツ大司教ヴィリゲス。ローマのサン・ピエトロ大聖堂を模範として、975年に礎石を据えたとされています。

大聖堂は、中央の身廊と左右の側廊からなる3つの身廊を基本とし、東西には2つの聖歌隊席があります。さらに、長い歴史の中で多くの礼拝堂が増築され、現在の複雑な姿が形づくられたそうです。

完成後、たびたび火災に見舞われ、数世紀の間に7回も焼失しています。そのたびに修復や再建が行われたため、ロマネスク様式を基調としながらも、さまざまな時代の建築要素が重なっています。

わたしが訪れた12月24日の夕方は、ミサが行われるようで、たくさんの人が集まっていました。観光できる雰囲気ではなかったので、早々に大聖堂を後にしました。

マインツの街並み

予想した通り、街中のレストランや店、美術館などはシャッターを下ろし、閉まっていました。

ですが、ただ街並みを見ながら歩くだけでも楽しめました。

マインツの旧市街を歩いていると、白い壁に茶色い木の骨組みが組み込まれた建物をよく見かけました。

これはドイツでよく見られる「木組みの家(Fachwerkhaus)」と呼ばれる建築で、木材でつくった骨組みの間を土やレンガなどで埋めているそうです。外から見ると、木の梁や柱が格子模様のように見えるのが特徴的でした。

マインツを訪れて

12月24日ということで、観光地としてのマインツを楽しむことはできませんでしたが、ザンクト・シュテファン教会では、美しい青の世界を体験できました。

教会を出たあとは、大聖堂に立ち寄り、閉まっている店が多い旧市街を歩きながら、マインツ駅へ戻りました。

クリスマス・イブのマインツは、きっと普段とは少し違う静かな街でした。


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