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ピエンツァ(オルチャ渓谷)

オルチャ渓谷を徒歩だけで満喫できる?ピエンツァからの散策体験談

イタリア中部、トスカーナ州シエナ県の丘陵地帯「オルチャ渓谷(ヴァル・ドルチャ Val d'Orcia)」。なだらかな丘の上に、まるで絵画に描かれたような田園地帯が広がっています。トスカーナ地方を象徴する素晴らしい風景です。2004年には世界遺産に登録されています。

 

オルチャ渓谷を目指して早朝にピエンツァを出発!

pienza-viewそんなオルチャ渓谷を間近で見ようと、「ピエンツァ(Pienza)」の町から歩いて散策に出ました(前記事はこちら→オルチャ渓谷への行き方~ピエンツァからの徒歩ルート~)。

あらかじめチェックしておいた日の出の時刻に、朝食も食べずカメラを抱えてスニーカーとともにホテルを出発。早朝なのでタクシーはお願いできないにしても、レンタカーがあれば、テレビや雑誌に登場するような、これぞオルチャ渓谷!という感じの風景をいろいろな角度から見ることができただろうなと思いながら町の東側の門「porta al ciglio」を抜けました――。結果的には、巨大なアート作品のような印象深いパノラマに出会え、徒歩だけの散策でも大満足でした。

 

オルチャ渓谷を一望するまでの道のりにはブドウ畑も

pienza-orcia-view15ピエンツァの町を抜け砂利道の農道を行くと、まず目に留まったのがブドウ畑。意外でした。見渡す限り草原が続いているイメージだったので。まぁ、オルチャ渓谷と一口に言っても、その面積は”18,500ヘクタール”にも及びます(東京ドーム4000個分)。ブドウ畑もあれば、牧草地もあったり、自然公園になっていたり。いろいろですよね。歴史をさかのぼれば、もともとは耕作に不向きな土壌だったそう。14世紀当時、都市国家だったシエナに統治されたことをきっかけに土地の改良が進んだのだとか。

 

オルチャ渓谷らしい風景が見えてきた♪

pienza-orcia-view4さらに道なりに進みます(舗装された道ではないので歩きやすい靴は必須アイテムです)。ガイドブックで紹介されているようなオルチャ渓谷らしい風景が徐々に姿を現します。季節のよって目にする風景の色合いや植物の茂り具合などが異なるのでしょうね。上の写真の植物は小麦かな。わたしが訪れた季節は秋でしたので、色を失いつつある穂でいっぱいでした。

 

そして、ピエンツァを出て20~30分ほど経った頃でしょうか。見渡す限り素晴らしい景色に囲まれます。そのままずっと道なりに行けばどこまでもオルチャ渓谷の風景が続いています。後は、体力と時間の問題です。

pienza-orcia-view7まるで絵画の中の世界が目の前に広がっています。わたしの下手な撮影のせいで暗い写真になってしまいましたが、本当はもっと素晴らしい景色です。

 

pienza-orcia-view11オルチャ渓谷の美しい景色。14世紀頃にはすでに画家らの手によって描かれています。オルチャ渓谷をモチーフとした絵は都市国家の理想的な統治モデルを象徴するものとして政治にも利用されたそうです。”美しい自然と生活をともにする理想的な人間の姿”が象徴的に描かれています(該当の絵はシエナに行けば鑑賞できますよ☆)。

 

ランダムに植えられた糸杉が印象的です!

pienza-orcia-view3

オルチャ渓谷が今なお訪れる人を魅了してやまないのは、ルネサンス発祥の地イタリア・トスカーナ人の美的感覚にその耕作が委ねられているからかもしれません。

 

pienza-orcia-view6糸杉が絶妙な場所に植え込まれ、のっぺりとなりがちな大地の風景にアクセントを生んでいます。すごいなぁ!という感じです。たとえ、単なる畑とその延長線上の土地であっても、美しくデザインすることにかけては抜かりがないのはイタリア人のセンスのなせる技といったところでしょうか。

と、そうこうしているうちに、ピエンツァを出発してからあっという間に3時間くらい過ぎてしまいました。そのあいだすれ違ったのは、トレッキングをしているドイツ人の団体と、1台の自動車と……。

 

そして、まさかの……遭遇!?

pienza-orcia-view16なんと、ブタさんに遭遇!!

びっくりしました。

胸に白い帯をまいたような……といえば「チンタ・セネーゼ豚 cinta senese」ですよね?どこからやってきたのか謎です。飼育されているのでしょうか。

 
pienza-orcia-view14道中「vietato di caccia 狩猟禁止」の立て看板があちこちにありました。

森があるわけでもないのになんでだろう?っと、この看板にとても違和感をもったのですが……。まさかチンタ・セネーゼ豚がいるとは驚きでした。

狩猟禁止の看板が設置されているわけがようやくわかりました。

 

最後に

期待以上の風景を堪能できました。というわけで、レンタカーやタクシーを使わない派のみなさんも楽しめるルートなのではないかと思います。

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